おっぱいをあげている間はお薬は使えない・・?【9月のトピックス】
- drmizunosmilechild
- 2016年9月17日
- 読了時間: 4分
今日は授乳中のお母さま方が抱える心配事・・・
おっぱいをあげている間はお薬は使えない・・?にお答えします。

授乳中はお薬を使ってはいけませんといわれた経験がある方も少なくないでしょう。
なぜなのでしょうか?
それはほとんどの医薬品添付文書にそのように書いてあるからです。
まず、医薬品添付文書の解釈を説明します。
ラットやマウスに薬を与えてわずかでもお乳にその薬がでるようなら、授乳は控えるようにと記載されてしまいます。
なぜでしょうか?
それはもし万が一、授乳している女性がそのお薬をのんで、
お子さんになにか症状がでる(ぼつぼつがでるとか、機嫌が悪くなるとか)ようなら、
それがお薬と関係あるのかわからなくても、
“薬のせいじゃないか?”と疑いの目を向けられます。
それならいっそのことお乳にでるのなら
“授乳は控えるように”とかいておけば我が社にクレームはこない・・と
考えても不思議ではありません。
また、粉ミルクもあるわけですから、
お薬を使う間は粉ミルクをあげてくださいということに
あまり抵抗を感じなくても不思議はないのです。
でも本当にそうでしょうか?

おっぱいだけで育っている生後2-3か月の赤ちゃんに哺乳瓶で飲ませようとして大変だったという経験はありませんか?
もう哺乳瓶はのまないし、
もしもミルクアレルギーがあったら赤ちゃんは真っ赤になり、
お母さんは真っ青になっちゃいます。
そもそも“授乳を控えるべきか否か”は、
「母乳中に薬剤が移行する」ことではなく
「母乳中の薬剤により、乳児に有害な作用が生じるかどうか」を
判断の基準にすることが大切です。
実際には、そのような有害事象が生じた報告はわずかしかないのです。
なので、安易に薬を飲んでいる間は粉ミルクをあげましょう
なんて言えないはずなんですね、本当は。

また、授乳時期によっても対応が異なります。
生まれたばかりの赤ちゃんに対する影響と
1歳になってよちよち歩きもしているお子さんでは
おっぱいを通してお薬を飲むにしても
影響度合いが異なるのは容易に想像がつきますよね。
ですので、お子さんがどれくらいの月齢かというのも大切なことなのです。
一般的には生後2か月をこえると授乳による影響は減ってきて、
1歳を過ぎるとほとんどなくなると考えていただいてもよいでしょう。
少しの薬剤が含まれていても、母乳の安全性は人工乳よりもはるかに勝るものですよ!
でも実際には、添付文書で「投与中は授乳を中止すること」と
規制されている薬がたくさんあります。
とくに最近は、PL法対策から、新たに記載されるケースが増えています。
このような記載があったとしても、
お母さんのお気持ちを理解してくださる医師の中には
実際には授乳を中止しなくてもいいよといってくださる方も増えてきました。
授乳を続けてよいといわれた場合でも、念のため赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。
母乳の飲み具合、眠り方、機嫌、便の状態などに注意してください。
もし、決まった時間に母乳を飲まなくなったり、
1回の睡眠時間が異常に長い(4時間以上)、うとうと状態が続く、
変にぐずる、いらいら感、下痢、発疹など普段にない症状がみられたら、
早めに医師に相談するようにしてください。
厚生労働事業として国立成育医療研究センターのホームページには
安全に使用できると思われる薬が表になって掲載されています。
(クリックすると詳細が見られます^^)
ここに掲載されている薬剤であれば、
根拠をもって授乳中に使っても安全であるといえますね。
もちろん、わたしたち大人が使う薬であっても、
すべて安全というわけではありません(アレルギー症状がでる薬もありますよね)。
ですので、おくすり110番にあるような注意はなさってください。
一例をあげますと
インフルエンザのときに使う“タミフル”、
めまいの薬“ドラマミン、
偏頭痛の薬”意味グラン“、
痛み止めのお薬”ブルフェン、インテバン“、
花粉症のお薬”アレグラ“
これらも授乳中に使ってもよいだろうと考えられるのです。
ですので偏頭痛や花粉症を我慢せずにお薬を使って、
楽しく母乳育児を続けていただきたいと思います
なお、ほとんどのお薬は血液の中の濃度が下がれば、母乳のお薬の量も減ります。
ですので、絞って捨ててから授乳をする必要はありません。
今日はおくすりと授乳についてお話しさせていただきました。
いかがでしたでしょうか。 おくすりは、必要以上に飲むものではありませんが、
辛い時には我慢しすぎることもありません。
そして、ほとんどのお薬は、母乳を中断する必要もありません。
ですから、おかあさんの体の調子と上手に付き合いながら、
母乳育児をしていただきたいと思います。