こちらはちょっとした読み物として読んでいただければいいかな〜と思います。
これはフローラのイメージです。
コリックは赤ちゃんにとってもご両親にとってもとてもつらいものですね。
コリックってどのような状態をいうの?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
少し説明しましょう。
コリックの定義にはいろいろとありますが、代表的な定義を紹介します。
生後4か月までの赤ちゃんが突然、原因なく騒いだり泣き出したりすることが
1日のうち3時間以上あり、なんら誘因なくとまることが1週間のうち3日以上あることをいいます(Gastroenterology 2006;130:1519-1526)。
どれくらいの赤ちゃんがコリックを示すのかというと約2割といわれています(J Pediatr Gastroenterol Nutr 2015;61:531-7).
これまでにミルクアレルギー用ミルク、大豆乳、乳糖を減らしたミルク、音楽、マッサージなどいろんな介入がなされてきましたが、どれも決定的な効果はなさそうです。
その中で最近注目されているのが腸内フローラの関係です。
コリックを示す赤ちゃんはコリックのない赤ちゃんとは違う腸内フローラを持っている
という研究結果が報告されています。
この違いはコリックが起こり始める前からみられるというのです(Pediatrics 2013;131:550-558).
ならば腸内フローラをよくしてあげればコリックもおさまるのではないかと考えますね。Lactobacillus reuteriという乳酸菌を与えることでガスを産生する菌が増えないようになります。
また、プロバイオテックスは善玉菌が腸粘膜に住み着いてくれることにも役立ちます。
Szajewskaさんたちはこれまでの論文をまとめていったいプロバイオテックスはコリックに効果があるのかどうかを報告しています(JPGN 2016;63:S22-)
Lactobacillus reuteri DSM 17938:この菌を使って研究した論文では、
母乳で育っている赤ちゃんのコリックを減らしたという結果が示されています。
1日のなかで泣いている時間が43分短くなったのです。
2014年のイタリアお報告では生後3日から90日までこのプロバイオテックスを
赤ちゃんに与えることで、1か月時点では1日に51分、
3か月時点では1日のうち33分泣くことがへったそうです(JAMA Pediatr 2014;168:228-33)
Lactobacillus rhamnosus GG
この菌においては、あまりなく時間を減らす効果はなかったようです。
さらにはいくつかの菌種を混合して与えた研究もあります。こちらは効果があったようです。
以上から、プロバイオテックスを使うことに害がないのであれば、
ご両親との話し合いのうえで使ってみてはどうでしょうか、ということになります。
ただ、効果が認められた赤ちゃんたちは母乳育ちの赤ちゃんたちで
あったということを付け加えておきます。
つまり、母乳で育てられるように支援をうけることも大切なコリック対策なのかもしれませんね
いかがでしたでしょうか。
今話題の腸内フローラや、プロバイオティクスはあかちゃんにも良さそうですね^^