サイトメガロウイルス感染症
妊娠中の女性が感染しておなかの赤ちゃんに影響がでる感染症はいくつもありますが、なかでももっとも多いのは、毎年生まれてくる赤ちゃんの3000人以上が感染して1000人程度に障害を発生させるサイトメガロウイルス感染症です。
おなかの赤ちゃんに感染したらどんな症状がでるの?
生まれたときからみられる症状:低出生体重、肝脾腫(肝臓や脾臓が腫れている)、肝機能異常、小頭症、水頭症、脳の中の石灰化、紫斑(皮膚に紫色の斑点がでる)、血小板が減る、貧血、皮膚が黄いろい、眼の網膜症、白内障、肺炎、けいれんなどです。
生まれた時には症状がなければ先々心配しなくてもいいの?
生まれたときに症状が無くても、半年以上たってから難聴、精神や身体の発達の遅れ、運動の障害を起こすことがあります。
ということでこれから説明する対策をとってまいりましょう
対策
サイトメガロウイルスに対する免疫を持っていない(過去に感染していない)女性の1-2%は、
妊娠中にサイトメガロウイルスに感染します。
かぜのような症状や熱がでることもありますが、症状がないことも少なくなく、
自分が感染したことが分からないことも珍しくありません。
妊娠中の女性が感染してもおなかの赤ちゃんの6割は感染しませんが、
おなかの赤ちゃんの4割は感染します。
感染うけた赤ちゃんのおよそ2割はうまれたときに症状があり、
のこり8割はうまれたときには症状がありません。
うまれたときに症状がある赤ちゃんのうち9割、
そして生まれたときは症状がなかった赤ちゃんの10〜15%に精神発達遅滞、運動障害、難聴などがみられるようになります。
つまり、妊娠中の女性がはじめてサイトメガロウイルスに感染したとしても
おなかの赤ちゃんに何らかの障害がみられるのは1割くらいになります。
そうはいっても防げるものは防ぎたいですよね
そこで・・・具体的な対策
以下の行為の後には、こまめに繰り返して石けんと水で15〜20秒間は手洗いをしましょう。
おむつ交換 子どもに食事を与える 子どもの鼻汁やよだれをふく 子どものおもちゃを触る
子どもと食べ物、飲み物、食器を共有しない。
おしゃぶりを口にしない。
歯ブラシを共有しない。
子どもとキスをするときは、唾液がはいらないようにする。
玩具、カウンターや唾液・尿と触れそうな場所を清潔に保つ。
妊娠中の女性がサイトメガロウイルスに感染する場合におおいのは以下のような場合です。
上のお子さんが幼稚園・保育園で感染する:
というのも1歳~5歳のお子さんの3割は尿の中にウイルスを排泄していて、上のお子さんが一緒に遊んでいるうちに感染してしまうのです。いったん感染すると2-3年くらいはウイルスが唾液や尿にでています。
上のお子さんと食具を共有したり、キスをしたり、トイレの介助のさいに手洗いをしなかったり・・こういったことで唾液や尿のウイルスが手についてしまい、その手で目をこすったりすることで妊娠中の女性に感染してしまうのです
その1-3で共通すること・・それはよく手を洗うこと。
また妊娠中は野菜をあらう、まな板、包丁など調理器具をよく洗う、生ものを控える・・このようなことをしっかり覚えておいてくださいね